漢方治療

01. 漢方治療とは
漢方治療とは、中国古来の中医学を起源とし、日本の風土やくらしに合わせて独自に発展した「漢方医学」に基づく診察のことです。西洋医学が検査データや画像から特定の臓器・病変に焦点を当てるのに対し、漢方診療では「心身の全体的なバランス」を重視します。
患者さん一人ひとりの体質や症状の現れ方を「証(しょう)」という独自の基準で捉え、その時の状態に最も適した漢方薬を処方するのが特徴です。「病気を診るのではなく、病人を診る」という考え方を大切にしており、検査では異常が見つからないものの、本人にとってはつらい「未病(みびょう)」の状態に対しても、効果的にアプローチすることができます。
02. 主な症状
漢方治療は、慢性的な不調や、原因がはっきりしない症状(不定愁訴)に対して非常に有効です。具体的には以下のような悩みを持つ方が多く受診されています。
- 冷えや血行不良
手足の冷え、のぼせ、生理痛や月経不順といった女性特有の悩み。 - 消化器系の不調
胃もたれ、食欲不振、慢性的な便秘や下痢、お腹の張り。 - メンタルと神経系の悩み
原因不明のイライラ、気分の落ち込み、不眠、めまい、頭痛、更年期障害に伴う不安感。 - 皮膚やアレルギーの悩み
アトピー性皮膚炎、慢性的なじんましん、花粉症など。
これらの症状が単独で現れることもあれば、複数が重なり合っている場合もあります。漢方診療ではそれらを一つのつながりとして捉え、根本的な改善を目指します。
03. 考えられる原因
漢方医学では、健康は「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の3つの要素が体内を円滑に巡っている状態と考えます。これらのバランスが崩れる要因には、以下のようなものが挙げられます。
- 気・血・水の過不足や滞り
生命エネルギーである「気」、全身を巡る栄養である「血」、体内の水分である「水」のバランスが、ストレスや生活習慣で乱れること。 - 五臓(肝・心・脾・肺・腎)の機能低下
内臓の働きが弱まり、エネルギーをうまく作り出せなくなったり、不要なものを排出できなくなったりすること。 - 外邪(がいじゃ)の影響
寒さ、湿気、暑さなど、季節や環境の変化が体の防衛機能を上回って影響を与えること。 - 心身の過労
過度な仕事や心労により、本来持っている「自己治癒力」が著しく低下してしまうこと。
04. 治療方法

漢方治療は、まず「四診(ししん)」と呼ばれる伝統的な診察法から始まります。視覚で捉える「望診(ぼうしん)」、声やにおいを確認する「聞診(ぶんしん)」、対話で症状を詳しく伺う「問診(もんしん)」、そしてお腹や脈に触れる「切診(せっしん)」を通じて、患者さんの現在の状態(証)を判断します。
- 漢方薬による内服治療
植物の根や葉、鉱物などの天然由来成分である「生薬」を組み合わせた漢方薬を処方します。症状を抑えるだけでなく、体質そのものを底上げし、自然治癒力を高めることを目的とします。 - 養生(生活習慣の指導)
漢方では「食養生」といって、食事も治療の重要な一部です。体質に合った食材の選び方や、睡眠、運動などの日常生活におけるアドバイスを行い、薬に頼りきらない体づくりをサポートします。 - 心身の調和
漢方診療は心と体のつながりを重視するため、カウンセリング的な側面も持ち合わせています。対話を通じてストレスの源を見つめ直し、精神的な安定を図ります。
じっくりと自分の体と向き合う時間を
漢方薬は「長く飲み続けないと効かない」と思われがちですが、風邪や急な腹痛など、即効性が期待できるものも多くあります。一方で、長年の体質改善を目的とする場合は、少しずつ体が変わっていくプロセスを楽しむことが大切です。まずは数週間から数ヶ月、ご自身の体の変化を観察してみてください。焦らず、一歩ずつ本来の健やかさを取り戻していきましょう。
監修医師
監修医師
池袋院院長
結城 直哉
順天堂大学医学部卒業後、総合病院で勤務。2024年にREVO CLINIC 池袋院院長に就任。内科と美容医療を組み合わせ、忙しい現代人が気軽に相談できる新しい医療の形を目指しREVO CLINICを展開
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